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# 別年度のページ 法哲学:2014年度/2015年度/2016年度/2017年度 法思想史:2014年度/2015年度/2016年度/2017年度
後期科目「法思想史」のページはこちらです。
毎回の小テストや資料が膨大な量になってきました。せっかくですので、製本してみようかと考えています。だいたい1200ページぐらいになる見込み(!)で、ちょっとえらいことなのですが、うまく記念になるようなものを作りたいと思っています。具体的なことはまたご相談させてくださいませ。
正義論・法概念論のさまざまな立場を比較検討するなかで、法哲学的な思考能力を養う。そして、自分なりに関心のあるテーマを適切に設定し、一貫した立場から論述できるようになること。また、他の実定法および政治学関係科目にもそれを応用できることが望ましい。
現代の「法哲学」がどのような学問であり、どういった問題に取り組んでいるか、およびそれが実定法や政治学諸科目にどのようにつながるかといったことを概観し、法や正義を原理的・哲学的に考える意義を理解する。
→ 指定教科書や参考書に目を通し、「法哲学」のおおまかなイメージをつかんでおくこと。
マイケル・サンデルの「白熱教室」ブームを振り返り、各種の「正義論」が現代のどういった問題に取り組んでいるかを理解する。
→ 現代の日本で「白熱教室」がなぜブームになったのか、自分なりの考えをまとめておくこと。
ジョン・ロールズ『正義論』(原著1971年)の「正義の二原理」ほかの議論の骨格を理解する。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。また、前回までの議論をよく復習し、各回のつながりについて考えておくこと(以下毎回、同様)。
ロールズ『正義論』が何に取り組もうとしたのか、そしてどのような反応を巻き起こしたのかを当時の時代状況のなかで考え、その思想史的位置づけを確認する。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。
ロールズが『正義論』で標的にした(とされる)功利主義思想につき、ベンサム、ミルなどの古典的功利主義の発想をまず整理する。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。
生命倫理や動物解放論などの議論を素材にし、現代の功利主義がどのような問題に取り組んでいるかを踏まえ、その魅力と限界を理解する。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。
ロバート・ノージック『アナーキー・国家・ユートピア』(原著1974年)を主な素材とし、自然権(自己所有権)に基づくリバタリアニズムの基本的発想を理解する。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。
帰結主義リバタリアニズム、左翼リバタリアニズム、アナルコ・キャピタリズムなど、さまざまなリバタリアニズムの発想を理解する。また、いわゆる「新自由主義(ネオリベラリズム)」批判にも触れ、現代における「市場」と「自由」の関係について考えを深める。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。特に「市場」「競争」のルールはどのようなものであるべきか、自分なりのイメージを持っておくこと。
マイケル・サンデル『リベラリズムと正義の限界』(原著1982年)での議論を中心に、「リベラル・コミュニタリアン論争」が何を問題にしていたのかを理解する。また、それを受けてのリベラル側の展開についても触れる。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。また、ロールズ『正義論』における普遍主義的な発想の魅力と限界をよく復習しておくこと。
リベラル・コミュニタリアン論争を踏まえたうえで、具体的な問題に則して「コミュニティ」のあり方を考える。犯罪学における「割れ窓理論」の妥当性などを具体的な検討の素材とする。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。また、「共同体」「コミュニティ」にかかわる事柄について、自分なりの問題意識を持っておくこと。
R・ドゥオーキン「資源の平等」論、A・セン「潜在能力の平等」論など、分配的正義論における「何の平等か?」問題を考察する。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。また、特に第8回の内容をよく復習し、市場競争のスタート地点はいかなるものであるべきか、自分なりのイメージを持っておくこと。
多文化主義、承認をめぐる政治、ケアの倫理、ジェンダー/セクシュアリティといった問題領域を素材に、普遍主義的発想に反省を迫る一群の思想について、その魅力と限界を見定める。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。
国境を超える正義はありうるかという問題について、環境問題や移民問題など具体的なイシューを素材にして考察を深める。また、これまで扱ってきた正義論上の各種の立場が、そういった具体的問題においてどういう含意を持ちうるかを考える。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。世界規模での「正義」が問題になりそうなことについて、具体的な論点を考えておくこと。
いまだ生まれざる将来世代と現在世代とのあいだに、何らかの規範的関係が成り立つかどうかを考える。具体的には、科学技術の超長期的な影響についていかなる正義がありうるかなど。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。特に「3.11」以後の科学技術のあり方について、重要だと思うことをまとめておくこと。
古代から現代までの各論者において「自由」がいかに捉えられてきたかを概観する。特にI・バーリンによる「消極的自由」「積極的自由」の分類の意義とその限界など。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。強盗に銃を突き付けられている状態は「自由」であるといえるだろうか?
さまざまな自由概念を踏まえたうえで、現代においていかなる「自由」が可能か(あるいは望ましいか)を考える。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。「自由」が問題になりそうなことについて、具体的な論点を考えておくこと(例:ヘイトスピーチと表現の自由、ダンス規制)
「権利」の意味について、「意思(選択)説」「利益説」の対立や、ホーフェルドによる分類などを素材に理解を深める。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。「義務を果たさずに権利を主張するのはよくない」「投票に行くのは国民の義務である」といった言い方の何がおかしいか(おかしくないか)を考えておくこと。
各種の権利理解を踏まえたうえで、たとえば「将来世代の権利」「動物の権利」といったものが正当化可能かどうかについて考える。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。特に「動物」について、いかなる保護のあり方が望ましいか、さまざまな場合に分けて考えておくこと。
啓蒙思想から現代までの民主主義理論の基本的な論点を理解する。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。また、現代日本の民主主義に「限界」「機能不全」があるとしたらどのようなことか、考えを持っておくこと。
「熟議民主主義」「闘技民主主義」など、「新しい」民主主義の諸潮流についてその基本的な発想を理解する。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。また「公共性」を実現するうえで「民主主義」がすぐれた仕組みといえるかどうか、自分なりの考えを持っておくこと。
「法とは何か」をめぐる議論である「法概念論」の基本的な見取り図を示し、その意義を考える。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。「悪法に従う義務はあるか」といった問題について、さまざまな場合を想定して考えをまとめておくこと。
自然法論の議論状況を整理し、現代においてどのような意義を有しているかを理解する。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。「自然法」が説得的でありうる場合が現代においてありうるか、考えをまとめること。
「法」を社会的事実として捉える法実証主義の発想について、ハンス・ケルゼンの法思想を素材にしながら理解を深める。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。「法学は科学といえるか?」という問いについて、自分なりの考えを持っておくこと。
H. L. A. ハート『法の概念』(原著1961年)を素材に、「法と道徳の分離」といった基本的な論点を理解するとともに、分析哲学と法哲学の接点についても概観する。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。
ロナルド・ドゥオーキンによるハート批判、および彼独自の「integrityとしての法」概念について理解する。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。また、前回のハートの法理論について、その魅力と問題点をまとめておくこと。
ハート・ドゥオーキン論争以降の法実証主義論争について、その規範的含意に着目しながら理解を深める。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。
これまで扱ってきた正義論、法概念論の各種の立場を再度整理するとともに、現代における「司法」の役割や正統性について理解を深める。「裁判員裁判」ほか昨今の日本の司法制度改革の問題にも触れる。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。また、「自分が裁判員に選ばれたらどうするか」といった問題について、自分なりのイメージを持っておくこと。
同様に、「立法」の役割や正統性について理解を深める。(解釈)改憲問題、立憲主義の意味、内閣法制局の役割など、最近のホットイシューについても触れる。
→ 指定教科書・参考書の該当部分を予習すること。また、特に憲法に関わる最近の時事問題について、気になる論点をまとめておくこと。
これまでの講義内容を踏まえたうえで、受講者の問題関心に応じて具体的なトピックを取り上げ、ディスカッションとまとめを行う。
→ これまでの講義内容をよく復習し、各回のつながりを理解しておくこと。また、全体で議論すべき具体的問題について積極的な提案を歓迎する。
引き続き、受講者の問題関心に応じて具体的なトピックを取り上げ、ディスカッションとまとめを行う。
→ これまでの講義内容をよく復習し、各回のつながりを理解しておくこと。また、全体で議論すべき具体的問題について積極的な提案を歓迎する。
・期末レポートによって評価する。講義を踏まえたうえでテーマを設定し、自分なりに整合的と考える法・政治哲学的立場から一貫した論述ができるかどうかを問う。
・講義中のディスカッションに積極的に参加した者については一定の範囲(上限20%)で加点を行う。
・教科書: 中山竜一『二十世紀の法思想』(岩波書店、2000年)
・参考書: W・キムリッカ『現代政治理論(新版)』(日本経済評論社、2005年)
・その他の参考文献は講義中に適宜、紹介する(できるだけ CiNii などのネット上で読める論文にして負担を減らす)。
・講義では毎回、詳細なレジュメ配布またはスライド上映を行う。
・法哲学・政治理論や実定法上の知識は特に前提とせず、初学者に配慮した講義とする。
・ディスカッションを重視するので、積極的な参加が望ましい。単位取得にあたって必須とはしないが、議論するのは何より楽しい!(*^-^*)と思う。
・各自の問題関心を発表(プレゼン)してもらい、全体で議論することも有益と思われるので、積極的な立候補を望みたい。
・参加者の興味関心に応じて、講義内容は柔軟に変更する。
・講義にあたっては、外部講師の招聘、映像素材の使用などを適宜検討する。
・質問等は講義の前後、およびメールで受け付けるので、遠慮なく行ってほしい。
・吉良のホームページには、連絡事項や配布資料を掲載するので、積極的に活用してほしい。なお、重要な連絡事項は必ず、学内掲示板等で確認すること。
・単位取得要件とは関係しないが、発展的内容を扱う自主ゼミナールの実施も検討する。他大学で行った例としてこちらなど。
ご質問などありましたら遠慮なくどうぞ。
→ 教員連絡先