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2013年度 授業評価と改善課題のまとめページ(吉良貴之)

2013年度に担当した科目の授業評価アンケート結果を分析するとともに、
それをもとにした反省、改善点などについてまとめます。
授業科目名のリンクは、シラバスPDFや、連絡用に作ったページです。
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【2013年度担当科目】

 01. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 前期・講義「法学入門Ⅰ
 02. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 通年・演習「EXゼミⅡ
 03. 宇都宮共和大学 子ども生活学部 前期・講義「日本国憲法
 04. 宇都宮共和大学 子ども生活学部 前期・講義「現代の教養講座Ⅲ」(オムニバス、5回担当)
 05. 宇都宮短期大学 音楽科・人間福祉学科 前期・講義「日本国憲法/法学

 06. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 後期・講義「法学入門Ⅱ
 07. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 後期・講義「憲法
 08. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 後期・講義「労働法
 09. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 後期・講義「会社法
 10. 国際基督教大学 教養学部 後期・演習「法哲学外書原典購読」(自主ゼミ)
 11. 国際基督教大学 教養学部 後期・講義「法哲学

 # 下記、1(1)-(5)の本務校の部分については読みやすくまとめたPDFもあります。


1. 本務校(宇都宮共和大学)での講義について

(1) 科目の目的(達成目標)とこれまでの授業内容の工夫点(努力点、改善点等)

 各種法学科目を担当。導入的な科目(法学入門、憲法)では基本的な法的思考のあり方について、身近なニュースや法律問題を素材にして身に付けることを目標とする。発展的な科目(労働法、会社法)ではそれを踏まえ、都市の経済のあり方とそのルールとしての法について理解し、他科目(特に経済系)との有機的な連携を意識しながら「シティライフ」について「法」的な側面からのアプローチを理解することをそれぞれ目標とする。
 法律科目はその特性上、受講者が有している「なんだか難しそう」「自分には関係なさそう」という思い込みを取り除く必要がある。そのため、各種の映像素材や、そのときどきで話題になっているニュースを積極的に活用するように心がけている。また、知識と理解の定着を図るために、講義ではできるだけ最後に10分程度の時間を取り、知識確認型の小テストと、その時間に扱った法的問題について自分なりにどう考えるかという簡単な作文を行っている。提出されたものは添削の上、返却することで復習に役立ててもらっている。また、理解が不十分であると思われた箇所については翌週の講義で重点的に扱うなど、フィードバックされた情報をもとに柔軟な講義構成を行っている。

(2) 2013年度授業評価アンケート(学生)結果、これまでの傾向値

 全体的におおむねよい評価となっている。担当者は本学での講義は初年度になるが、他大学での同様の講義アンケートの傾向と比較してもさほど大きな違いは見られないように思われる。
 項目別にみると、「この授業はよく理解できた」という評価は高く、これは毎回の小テストや期末試験での実感とも一致している。また、「知的関心・興味が深まった」という評価も高く、法律科目を身近なものとして感じてもらう試みが一定程度、成功している。「質疑応答の機会」についても、講義中に反応を見ながら適宜、時間をもうけたり、毎回の小テストで疑問点を書いてもらったり、その他の会話・メールなどでの対応も行っており、多様なコミュニケーションの機会を作っていることが評価されていると思われる。受講人数としては、いずれの科目も数名から多くとも40名程度の少人数授業であるが、それゆえに全体的な目配りが可能になったものと考えている。
 一方、課題としては、「マナーの悪い学生への注意」が十分であったかどうかについて、やや低い評価になっている。私語はほとんどないため受講そのものに大きな影響はないと考えられるが、それでも居眠り、内職その他の行為については十分に注意する必要がある。ほか、受講者自身が「予習・復習」を十分に行ったかどうかについても点数がやや低くなっている。これは全般的な学修習慣の問題でもあるが、特に予習面が難しかったものと思われる。

(3) 2013年度授業の自己評価と考察

 (1)(2)に記した通り、科目の目標とそれを効果的に達成するための試みについては、おおむね成功しているものと自己評価している。毎回の小テストとその返却をはじめとする、受講者とのコミュニケーションおよび講義へのフィードバックについては、さらなる強化を図りたいと考えている。
 (2)に記した課題については、受講態度に大きな問題があるとは感じていないが、講義により積極的な関心を持ってもらうよう、法律科目を身近なものとして感じてもらうための試みをより積極的なものとしたい。予習・復習については、予習面に課題があるように思われる。事前学習を行いやすいように、2014年度は指定の教科書・参考書をより理解しやすいものに変更した。また、どういった問題関心をもって予習すべきかについても、十分な指導を行いたいと思う。復習面については、大部分の受講生が返却された小テストをよく見直しているようであり、大きな問題はないと考えているが、継続的な習慣となるよう、問題設定や添削のあり方などの向上に向けて研鑽したい。

(4) 2014年度授業改善の課題と具体的方策

 2014年度講義に向けた改善課題は、(3)で記したものが基本になるが、本欄では教員間の相互参観から得られたことについて述べる。まず、参観いただいた教員からは、受講者との講義中のコミュニケーション機会を増やしてはどうかという複数の意見をいただいた。法律科目の特性上、知識伝達型になる側面が比較的多くなるのはやむをえず、リアルタイムでのコミュニケーションに一定の困難があるのは確かだが、改善の課題としたい。具体的には、受講者の人数に応じて小さい教室に変更するなど、教員との距離を縮めることによって発言しやすい雰囲気を作ることを考えている。
 自身が参観した講義では特にその点が意識されていたことが印象に残っている。受講者にとって身近な問題を積極的に投げかけ、意見を言いやすい環境づくりが意識的になされていた。こうした対話によって講義に「参加」したという意識が生まれると講義への満足度・理解度も飛躍的に高まるため、どのような環境や問題であれば発言しやすいか、意識的に考えていくこととしたい。そのためには、受講者がどのような問題について積極的な関心を持っているか、日常的なコミュニケーションから探っていくことが必要であると思われる。毎回の小テストでは「自由記述」としてそうした欄を作っており、フィードバックに資するものになっているが、問いをより具体化することで関心の特定化、あるいは掘り起こしを重点的に行いたい。

(5) その他

 演習科目「EXゼミⅢ」では、参加者の問題関心に応じた構成を心がけた。受講者は4名。具体的なテーマとしては「いじめと法」「環境問題と法」「新興宗教と法」「銃規制と法」などが扱われた。基本的な進行はシラバス通りであり、資料の調べ方、発表の仕方、議論の作法などについて、年間を通じて練習を積んだ。毎回、活発な議論がなされ、参加者の満足度もおおむね高いものだったと思われる。2014年度は同じ参加者によって「卒業研究」演習が開催される。卒業論文を執筆するための基礎鍛錬は十分なものができていると思われる。
 子ども生活学部、および宇都宮短期大学での講義は別キャンパスで開講されたものである。上で述べたことについてシティライフ学部での講義と大きな違いはないが、保育や音楽など、より特定の関心をもった受講者が多いため、できるだけそれに合わせた素材を導入的に用いるなどの工夫を行った。

2. 2013年度 非常勤科目について

1. 国際基督教大学教養学部「法哲学」

(1) 概要

 2013年度は国際基督教大学において秋期「法哲学」講義を担当した。毎回210分にわたる長時間の講義であるが、議論好きの校風もあり、ディスカッションは毎回盛り上がった。参加者の満足度も高かったようである。法学科目は知識伝達型になりやすい部分がどうしてもあるが、そうしたなかで「正義」のような根本的な問題について「何か言いたい」層のニーズに一定程度、応えられたものと考えている。そして、それによって各種法学科目への学びの姿勢にも積極的な影響をもたらされることを願っている。なお、受講状況その他、全般的な傾向およびその課題については、上に記した本務校での所感と大きな違いはない。
 法・政治メジャー以外にも、哲学その他、隣接メジャーからの履修も複数あったことは、メジャー間の交流という意味でも特筆すべきである。本科目は法学専門科目と位置づけられてはいるが、2014年度シラバスでは法律・判例などの知識は特に前提としないことを明記し、さらなる異分野交流の場とすることを目指したい。それは ICU のリベラルアーツの理念をよりよく実現するものであり、「法哲学」はそのための格好の科目となりうると考えている

(2) 課題

 法「哲学」的な議論はどうしても向き・不向きがあり、特に抽象的な理論を扱った回では満足度に温度差があったようである。毎回の講義では簡単なリアクション・ペーパーを書いてもらっているが、そうした声に応え、現実の社会問題にあてはめたらどうなるのかをできるだけ意識して議論を整理するようにした。また、受講者の興味関心やディスカッションの流れによって扱う内容が変わってくる点について、私はそれこそが「法哲学」の醍醐味であると考えるが、しかし、予習復習がしにくいなどのデメリットがあることも指摘された。そこで、見取り図を得るためのレジュメ資料配布やスライド上映を増やしたり、次回の講義での復習時間を多めに取るなどの対応を行った。こうしたフィードバックの試みにより一定の改善が見られたと考えられるので、次年度以降の講義でも継続・拡充したい。

(3) 自主ゼミなど

 講義では現代の法哲学の諸問題について網羅的に扱ったが、特定のテーマを深めて学びたいという要望もあったので、授業開始前の2時間程度で毎回、希望者を集め自主ゼミを開催し、ハンナ・アーレントの法理論に関する英語文献の講読を行った(詳細:毎回4~7名程度)。難解な英文をじっくり読む機会はさほど多くないため、新鮮な機会となったようである。そこであらかじめコミュニケーションを深めたことにより、講義でのディスカッションもよい雰囲気のものとなった。また、各自の卒業論文テーマなどについての検討も行い、今後につながるものとなった(これは終了後も継続的に行っている)。
 ほか、他科目でのゲストレクチャーも積極的に行った。具体的には「日本国憲法」(担当:中村安菜講師)、「卒業研究」(担当:寺田麻佑准教授)などで、法哲学的な「ちょっと変わった視点」からの講義を行ったところ、参加者にとって新鮮だったようである。そこから「法哲学」に興味を持って履修してくれた学生もおり、生産的な形でのコラボレーションが可能になったものと考えている。これは次年度以降もできるだけ機会を設けたい。


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