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2017年度 授業評価と改善課題のまとめページ(吉良貴之)

2017年度に担当した科目の授業評価アンケート結果を分析するとともに、
それをもとにした反省、改善点などについてまとめます。
授業科目名のリンクは、シラバスPDFや、連絡用に作ったページです。
 → 各年度の一覧

【2017年度担当科目】

 [前期]
 01. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 前期・講義「法学入門
 02. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 前期・講義「憲法A
 03. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 通年・演習「3年ゼミ
 04. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 通年・演習「4年ゼミ/卒業研究
 05. 宇都宮共和大学 子ども生活学部・宇都宮短期大学 前期・講義「日本国憲法/法学」
 06. 宇都宮共和大学 子ども生活学部 前期・講義「現代の教養講座Ⅲ」(オムニバス、5回担当)
 07. 創価大学 法学部 前期・講義「法哲学
 08. 創価大学 法科大学院 前期・講義「法哲学
 09. 東京大学 教養学部・大学院総合文化研究科 前期・講義「科学技術リテラシー論Ⅰ」「応用倫理学特論Ⅲ」:プログラム紹介

 [後期]
 01. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 後期・講義「憲法B
 02. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 後期・講義「労働法
 03. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 後期・講義「民法入門
 04. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 後期・講義「政治学入門
 05. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 通年・演習「3年ゼミ
 06. 宇都宮共和大学 シティライフ学部 通年・演習「4年ゼミ/卒業研究
 07. 創価大学 法学部 後期・講義「法思想史
 08. 国際基督教大学 教養学部 冬期・講義「法哲学」(70分3コマ・3単位)
  ほか、国際基督教大学・創価大学などで自主ゼミ開催(不定期)

[集中]  宇都宮大学・とちぎグローバル人材育成プログラム集中講義(英語):参照
 01. "Japanese Constitutional Law in Globalization"
 02. "On Global Justice"
 03. "Science, Technology, and Global Society"

 # 下記、1(1)-(5)の本務校の部分については読みやすくまとめたPDFもあります。


1. 本務校(宇都宮共和大学)での講義について

(1) 科目の目的(達成目標)とこれまでの授業内容の工夫点(努力点、改善点等)

 各種法学科目を担当。導入的な科目(法学入門、憲法)では基本的な法的思考のあり方を身に付け、発展的な科目(民法入門、労働法)ではそれを踏まえ、都市の経済のあり方とそのルールとしての法について理解し、他科目(特に経済系)との有機的な連携を意識しながら「シティライフ」について「法」的な側面からのアプローチを理解することを目標とする。
 法律科目は「なんだか難しそう」という思い込みを取り除く必要があるため、その時々のニュースや映像を積極的に素材に用い、身近な問題として捉えてもらうよう努力している。

(2) 2017年度授業評価アンケート(学生)結果、これまでの傾向値

 例年と同様、全体的におおむねよい評価となっている。項目別にみると、「この授業はよく理解できた」という評価は高く、これは毎回の小テストや期末試験での実感とも一致している。また、「知的関心・興味が深まった」という評価も高く、法律科目を身近なものとして感じてもらう試みが一定程度、成功している。
 一方、「民法入門/法学入門Ⅱ」は今年度から民法に特化した科目だが、細かい議論が多く、難しく感じた受講生が多かったようである。また全般的に学修習慣の問題であるが、受講者自身が「予習・復習」を十分に行ったかどうかについて点数がやや低くなっている。

(3) 2017年度授業の自己評価と考察

 科目の目標とそれを効果的に達成するための試みについては、シラバス通り、おおむね成功しているものと自己評価している。毎回の小テストをはじめとする、受講者とのコミュニケーションおよび講義へのフィードバックについては、さらなる強化を図りたいと考えている。
 (2)に記した課題については、予習面にまだ課題があるように思われる。どういった問題関心をもって予習すべきかについても、具体的な問いを出し、十分な指導を行いたいと思う。復習面については、大部分の受講生が配布資料や返却された小テスト等をよく見直しているようであり、大きな問題はないと考えている。
 また、今年度は複数の科目に社会人受講生の参加があった(科目等履修生)。明確な問題意識をもって授業に積極的に参加してくださったため、受講生にとって刺激になったものと思われる(1人でも積極的に質問してもらえると、授業の雰囲気がまったく違ってくる)。今後もできるだけ、外に向かって開かれた授業にできればと考えている。

(4) 2017年度授業改善の課題と具体的方策

 一方的な「知識伝達型」の講義にしないことを第一の目標とする。対話によって講義に「参加」したという意識が生まれると講義への満足度・理解度も飛躍的に高まるため、どのような問題であれば発言しやすいか、意識的に考えていくこととしたい。そのためには、受講者がどのような問題について積極的な関心を持っているか、日常的なコミュニケーションから探っていくことが必要であると思われる。

(5) その他

 演習科目「EXゼミⅡ(3年次)」「卒業研究(4年次)」では、参加者の問題関心に応じた構成を心がけた。受講者は3年生3名、4年生6名。ゼミでの発表や議論の基本的なあり方を身につけてもらうことを目標とした。基本的な進行はシラバス通りであり、資料の調べ方、発表の仕方、議論の作法などについて、年間を通じて練習を積み、卒論に向けてテーマを見つけていくための基礎的な指導を行った。毎回、活発な議論がなされ、参加者の満足度もおおむね高いものであった。
 卒業論文のテーマは以下の通り。(1)「凶悪犯罪者の「絵」から考える犯罪心理学」、(2)「「魔女裁判」の歴史」、(3)「ドローン等の先端科学技術と法」、(4)「いじめ問題の構造と法的対策」、(5)「交通政策から考える地方自治法」、(6)「ゲームから考える著作権法」。現代的問題から歴史的問題、グローバルな視野をもった問題からローカルな法政策課題まで、多岐に渡るテーマの執筆がなされた。むろん、執筆過程では全員が相互コメントを熱心に行ったので、都市問題を多角的に考える訓練がなされたものと思っている。
 なお、宇都宮地方裁判所、栃木県弁護士会、児童養護施設などの見学・意見交換も行った。法律の「現場」を知ることができたことは有益であったと思われる。また、中心市街地にある映画館「ヒカリ座」を訪問し、映画作りから考える都市政策といった観点からの考察も行った。その成果を学園祭で発表し、好評を得た。また、3年ゼミはそれに加え、宇都宮市主催の「学生によるまちづくり提案」に参加し、「同性パートナーシップ条例から考える宇都宮のダイバーシティ」として、近年、各地方自治体で進んでいる例を比較しながら宇都宮独自の課題を検討した。当該発表は奨励賞を受賞し、一定の評価を受けた。「まちづくり」のアイデアを具体的な法政策として考える姿勢を学んでもらえたものと思っており、4年次の卒業研究に生かしてもらうつもりである。
 子ども生活学部、および宇都宮短期大学での講義は別キャンパスで開講されたものである。上で述べたことについてシティライフ学部での講義と大きな違いはないが、保育や音楽など、より特定の関心をもった受講者が多いため、できるだけそれに合わせた素材を導入的に用いるなどの工夫を行った。

2. 2017年度 非常勤科目について

 2017年度は非常勤科目として、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部後期課程にて「科学技術リテラシー論Ⅰ」「応用倫理学特論Ⅲ」を担当し、先端科学技術問題から考える法政策的課題を原理的に考察した。ほか国際基督教大学教養学部「法哲学」、創価大学法学部「法哲学」「法思想史」、創価大学法科大学院「法哲学」、とちぎグローバル人材育成プログラム "Japanese Constitutional Law in Globalization," "On Global Justice," "Science, Technology, and Global Society"(宇都宮大学)を担当した。


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