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ICU2016

ICU 2016年度・冬・金曜567限「法哲学(LAW312)」(70分×3コマ×9回 担当:吉良貴之)

連絡事項を書いたり、配布物などを置くためのページです。
2016年12月から開始します。
 他年度のページ: 2013年度2014年度2015年度

【期末レポート講評】

 期末レポートの採点をすべて終えました。成績は予告の通り、期末レポートの点数を基本とし、参加状況によって若干の加点を行っています(減点はしていません)。
 成績分布は、A 30%, B 40%, C 10%, D 0%, E 20% でした。A・B評価がやや多めになっていますが、今回は内容が充実したレポートが多くあり、うれしく思います。A評価となったレポートは、(1) 授業での議論を十分に消化したうえで、(2) オリジナルな問題設定をなし、(3) 関連する先行研究を適切に調査・比較し、(4) 自分なりの主張を説得的に展開したものが多くなっています。B評価はそこには満たないものの、大きな差はないものです。
 C評価は、一定の理解水準には達しているが、①法哲学(および関連分野)の先行研究調査が不十分だったり、②自分の主張が前に出すぎていて(または逆にいろいろつまみ食いで散漫になっていて)反対説を十分に批判する argument になっていないものが多かったです。この評価の方は、その科目で何が求められているか、学術的なレポートの書き方はどのようなものであるか、しっかり再考してほしいと思います。事前に添削を受けた方はその点、改善したものが多かったですので、こういうことには積極的になってもらえることを望みます。E評価(不合格)の方は、明らかな形式不備・レポート不提出などです。
 ほか、個別に講評を希望される方は4月までに行いますので、ご遠慮なくご連絡ください。

【期末レポートについて】

期限: 2017年03月06日(月)17時(遅れる場合は必ず連絡すること)
方法: メールで jj57010@gmail.com と tkira26@yahoo.co.jp に CC して添付ファイルで送ること。
    ファイルは MS-Word(.docx)を推奨します。それ以外は PDF に変換すること。
    手書きなど、紙媒体での提出を希望する場合は、事前に相談してください。
字数: 日本語3000字以上、英語の場合はそれに相当する分量。
テーマ: 授業で扱った話題に関連させながら、各自の関心に基づいてテーマ設定し、参考文献を適切に用いたうえで論じること。
※ 「法哲学のテーマになるかどうかわからない」「どういう文献を読めばよいかわからない」という場合は、事前に相談してください。または、J-Stage から『法哲学年報』(ICU図書館にも所蔵あり)をご覧になると、法哲学のテーマにどんなものがあるかわかります。
※ 添削などを希望される場合は、〆切1週間前程度を目安に、遠慮なくどうぞ。直前になると大量に出されるので、十分に対応できない場合があることをご承知ください。

評価基準:
 (1) 授業内容を踏まえたうえで、独創的なテーマ設定がなされているかどうか。
 (2) 複数の先行研究を適切に比較検討したうえで、自身の主張を説得的に展開できているかどうか。
    # ひたすら自説を押し出すだけ、というものは評価が低くなります。比較の軸を作ってください。
 (3) 学術的な論文としての形式が守られているかどうか。

第9回(2月25日)について

 第9回は、補講として、(1) これまでの授業内容の復習・質疑、(2) レポート・卒論などの発表とディスカッションを中心に行います。

第8回(2月24日)について

 第8回は、前回の議論のやり残しのハート・ドゥオーキン論争とその後について扱った後、ゲストに東京大学特任研究員(法哲学)の森悠一郎さんをお呼びし、「平等論の現代的展開」としてレクチャーいただきます。全員が読んでいることを前提とする文献は以下のものです。
 ロナルド・ドゥオーキン『平等とは何か』(木鐸社、2002年)第1章・第2章(章の後半は議論が専門的になるので、流し読みする程度でかまいません)。
 アマルティア・セン「何の平等か?」『合理的な愚か者』(勁草書房、1989年)所収。
 Elizabeth Anderson, "What Is the Point of Equality?," in Ethics, Vol.109, No.2, 1999: 287-337.(ICU図書館のオンラインデータベースの JSTOR から読めます)
  # 紹介論文として、細見佳子「民主主義的平等論の可能性」、九大法学103号、2011年

他の予習文献として、以下など:
 瀧川裕英・宇佐美誠・大屋雄裕『法哲学』(有斐閣、2014年)、第4章
 W・キムリッカ『新版 現代政治理論』(日本経済評論社、2005年)、第3章(・第5章 3節)
 川崎修・杉田敦編『現代政治理論〔新版〕』(有斐閣、2012年)、第5章 4・5節
 森悠一郎「関係の対等性と正義――平等主義的リベラリズムの再定位(1)」『法学協会雑誌』第133巻8号』(2016年)序章

第7回(2月17日)について

 第7回は、「法とは何か」という「法概念論」の問題を扱います。「法」とそれ以外のさまざまな道徳やルールの違いを具体的に考えておいてください。また、「法(学)」は自然科学と同じような意味で科学的に語ることができるのか、といったことも考えてみたいと思います。全員が読んでいることを前提とする文献は、こちらこちらです(難しい部分もあるので、飛ばし読みでかまいません)。ほか、意欲のある人は教科書や参考書で、ケルゼン、ハート、ドゥオーキンといったあたりの箇所を読んでおいてください。

予習文献としては、以下など:  井上達夫『法という企て』(東京大学出版会、2003年) ※ 特に序章
 宇佐美誠・濱慎一郎編『ドゥオーキン』(勁草書房、2011年)
 中山竜一『二十世紀の法思想』(岩波書店、2001年) ※ ハート、ドゥオーキンの箇所を特に。
 深田三徳『現代法理論論争』(ミネルヴァ書房、2004年)
 森村進「H. L. A. ハートの『法の概念』」(一橋論叢103巻4号、1990年)
  # ハート『法の概念』(長谷部恭男訳、ちくま学芸文庫、2014年)の簡潔な解説。意欲があれば原著もぜひ。
 森村進『法哲学講義』(筑摩書房、2014年) ※ おすすめ
 ロナルド・ドゥウォーキン『権利論(増補版)』(木鐸社、2003年)
 ロナルド・ドゥウォーキン『法の帝国』(未来社、1995年)
などがあります。わりと難しい分野なので、特に無理はしないでかまいません。

第6回(2月9日)について

 第6回は「権利」論とつなげる形で、「民主主義理論と公共的価値」について扱います。全員が読んでいることを前提とする文献はこちらです。「(公共的)価値」を「客観的」「合理的」に語るのはどういうことか(可能なのか)といったことを踏まえ、現実の政治過程は望ましい価値を実現するのによい仕組みといえるかどうかを考えます。また、そうした問題関心のもと、近年の政治理論(とりわけ民主主義にかかわるもの)がどのように発展してきたのか、立法と司法との関係はいかなるものであるべきか、といった論点を扱います。先日の夫婦同氏規定最高裁判決(判決全文:PDF)における立法・司法の役割分担や、今後の裁判員裁判のあり方など、いろいろ考えておいてください。

予習文献としては、
 碧海純一『法哲学概論(全訂第2版補正版)』(弘文堂、2000年:複数の版があるが、手に入るもので)
 大庭健『善と悪』(岩波書店[岩波新書]、2006年)
 田村哲樹『熟議の理由』(勁草書房、2008年)
 ジェイムズ・フィシュキン『人々の声が響き合うとき――熟議空間と民主主義』(早川書房、2011年)
 キャス・サンスティーン『熟議が壊れるとき――民主政と憲法解釈の統治理論』(勁草書房、2012年)
などから、関心に応じて取捨選択して読んでおいてください。

第4回(1月13日)について

・前回予定のうち、世界正義(Global Justice)の部分が終わらなかったので、5-6限はそれを中心にやろうと思います。世代間正義の問題とも関係づけながら、前回の参考文献のいくつかに目を通しておいてください。
・時間が残れば、シラバス通り「自由」の問題について扱おうと思います。

・【reading assignment】こちらです。ダウンロードパスワードはいつも通り、開くパスワードは【202】です(ややこしくてすみません)。英語論文も入っていますが、できるだけがんばってみてください。また、下記の文献などを適宜参照し、現代社会における「自由」のあり方について、具体的にどういったことが問題になりうるかを考えておいてください(例:ヘイトスピーチと表現の自由、「美味しんぼ」事件、学生の政治活動と就活、ダンス規制問題、マイナンバーとプライバシー、など)。

予習文献としては、
 安藤馨「アーキテクチュアと自由」(東浩紀・北田暁大編『思想地図〈vol.3〉特集・アーキテクチャ』(日本放送出版協会、2009年)
 井上達夫『自由論』(岩波書店、2008年)
 井上達夫『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください』(毎日新聞出版、2015年)
 森村進『自由はどこまで可能か』(講談社〔新書〕、2001年)
 大屋雄裕『自由とは何か』(筑摩書房〔新書〕、2007年)
 齋藤純一『自由 思考のフロンティア』(岩波書店、2005年)
 早川誠「ヘイト・スピーチと「自由」の意味」、シノドス、2013年10月29日
 Z・A・ペルチンスキー、J・グレイ『自由論の系譜』(行人社、1987年)
などのうち、関心に応じて取捨選択して読んでおいてください。
意欲のある方は、『自由論の系譜』で扱われている各種の古典にもチャレンジするとよいです。

第3回(1月6日)について

【追記】1月1日に、イギリスの哲学者デレク・パーフィット(Derek Parfit)が亡くなりました。『理由と人格(Reasons and Persons)』(原著1984年)などに示された彼の独創的な議論は現代の法哲学や倫理学に大きな影響を与えています。ちょうど今回のテーマである功利主義やリバタリアニズム、そして世代間正義論といった議論に大きく関わってくるので、今回はできるだけ、彼の主張を紹介しながら発展的に議論を進めていければと思います。
・『理由と人格』(勁草書房、1998年)は分厚くて読むのがたいへんですが、面白そうなセクションのつまみ食いでかまいません。本書が無理な場合は、英語ですが、この追悼記事(特に前半)をできるだけ読んでおいてください。
・日本の法哲学で、パーフィットの議論を独自に応用したものとして、森村進『権利と人格』(創文社、1989年)などがあります。

・第3回は、5限に功利主義やリバタリアニズムなど、現代正義論のさまざまな立場の紹介と検討を行います。前回の参考文献のうち、ロールズ以降の議論の部分をよく読んでおいてください。できれば「臓器くじ」と自己所有権の問題、あるいはさらに発展させて、臓器移植の問題(脳死は人の死か、臓器売買は許されるか、etc.)といったことも考えておいてもらえると、議論がふくらむと思います。
・6-7限は、議論の進み具合にもよりますが、現代正義論の具体的な展開として「世界正義論(global justice)」「世代間正義論(intergenerational jusitice」などについて議論します。
・【reading assignment】全員が読んでいることを前提にする予習文献はこちらです。パスワードは初回授業時にお伝えしましたが、わからない方はメールでお問い合わせください。
・また、下記の文献のうち、関心のあるものを読んできておいてください。また、上記テーマ以外にも積極的な議論提起を歓迎します。

 【お題】としては、前回のいくつかの正義論の話を前提に、
 (1) 国境を超えた遠くの人々、あるいは移民・難民に何らかの配慮をする義務はあるか、あるとすればなぜ・どこまでか?
 (2) まだ生まれていない将来世代に何らかの配慮をする義務はあるか、あるとすればなぜ・どこまでか?
といったことを議論します。国際問題などで「正義」の問題になりそうなことを考えておいてください。
 → 例)安価な服を着る先進国民は途上国での過酷な労働に何らかの責任があるか?
 → ほかにも、このシラバスに書いてあるようなことなど。

予習文献としては、
 井上達夫『世界正義論』(筑摩書房、2012年)
 井上達夫「世界正義論に向けて」(立教法学83号、2011年、↑著に収録、こちらでネット閲覧可能)
 宇佐美誠 編『グローバルな正義』(勁草書房、2014年)
 押村高『国際正義の論理』(講談社現代新書、2008年)
 トマス・ポッゲ『なぜ遠くの貧しい人への義務があるのか』(生活書院、2010年)
 馬渕浩二『貧困の倫理学』(平凡社新書、2015年)
 アイリス・マリオン・ヤング『正義への責任』(岩波書店、2014年)
などのうち、関心に応じて取捨選択して読んでおいてください。
特に世界正義論(グローバル・ジャスティス)については文献が多いので、上記以外の文献にも積極的に挑戦してみてください。

第2回(12月16日)について

・【追加】reading assignment その1その2: 2はパスワードをかけています。授業の最初にお伝えしましたが、わからない場合はメールでお問い合わせください。
・燭火礼拝と重なるようですが、そちらを優先されることは特に差し支えありません(成績評価とは関係させないので、届け等も必要ありません)。
・今回はロールズ正義論の続きを確認して、身体や財産の「所有」に関わる具体的問題に即して議論していきたいと思います。特に、ロールズは「才能」を社会的な共有物と考え、「偶然に」それを持って生まれてきた人がそれによって得られる利益を独占することは許されないと考えますが、そうした捉え方は果たして妥当でしょうか。議論が膨らみそうな具体的問題をみなさんのほうでも考えてみてください。
・ロールズ正義論に対し、さまざまな批判が登場しましたが(リバタリアニズム、共同体論、あるいは功利主義からの反論)、それまでの議論とつなげる形で紹介・検討していきたいと思います。下記の基本文献などでおおまかな流れをつかんで、自分なりの問題関心を持っておいてください。

 基本的な文献としては以下のものがあります。図書館などでどれかを読んで、現代の正義論が何を問題にしているのかについて予習をお願いします。そして、自分の問題関心にとってこういった議論がどんなふうに応用できるか、具体的に考えておいてください。
 また、CiNiiなどで論文を探す練習もしてみてください。たとえば「ロールズ 教育」などで検索すると、ロールズ正義論を教育問題に応用する論文がヒットします。「CiNiiに本文あり・連携サービスへのリンクあり」にすると、ネット上で読める文献がヒットするので便利です。

 平井亮輔編『正義――現代社会の公共哲学を求めて』(嵯峨野書院、2004年)
★盛山和夫『リベラリズムとは何か――ロールズと正義の論理』(勁草書房、2006年)
★W・キムリッカ『現代政治理論(新版)』(日本経済評論社、2005年)
 仲正昌樹『集中講義!アメリカ現代思想――リベラリズムの冒険』(NHK出版、2008年)
 M・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』(早川書房[文庫]、2011年)
 中山元『正義論の名著』(筑摩書房[ちくま新書]、2011年)
 川崎修・杉田敦編『現代政治理論(新版)』(有斐閣、2012年)
などのうち、どれでもかまいませんので、ロールズ以降の正義論にかかわるものを読んでおいてください。
おおむね入門的なものを並べていますが、★印はやや発展的な内容です。
大量に文献がある分野なので、自分の関心に合わせて適宜、取捨選択して読んでかまいません。

【概要】

 「法哲学」の入門的な講義を行う。英米の現代的な議論を中心に、各種の法・政治哲学的立場を踏まえ、下記の内容に記してあるような具体的論点に即して法哲学的思考を身に付ける。なお、法律や判例の具体的な知識は前提としないので、法・政治メジャー以外にも、社会問題について変わった角度から考え、議論に参加してみたいと思う者の履修を歓迎したい。(使用言語 J/E)

【学習目標】

 さまざまな法・政治哲学的立場の発想をふまえたうえで、自分なりに整合的と考える正義論・法概念論の立場から、各種の具体的問題について見解を述べられるようになること。また、実定法および政治学関係科目ほかでの論点にもその思考方法を応用できるようになること。

【内容】

1. 法哲学を学ぶ意義、正義 (1):ロールズ『正義論』の衝撃
 現代法哲学の議論状況を概観し、最近の判例などを素材に法哲学的思考を「実践」してみることで、法を哲学的・原理的に吟味する意義を考える。その後、ロールズ『正義論』の内容を概観し、1970年代以降の時代状況のもとで理解する。
 【内容】 ロールズ『正義論』、リベラリズムの基本的発想
 【問い】 ロールズ正義論の魅力と限界はどのような点にありますか?

2. 正義 (2): ロールズの批判者たち
 ロールズ以降の正義論について、各種の立場を理解する。
 【内容】 リバタリアニズム、功利主義、共同体論、各種の平等論
 【問い】 あなたが最も魅力的だと思う正義論上の立場は何ですか?

3. 正義 (3): 世界正義と世代間正義
 現実的な社会問題における正義のあり方を考え、第2回で扱った各種の正義論上の立場の妥当性を吟味する。
 【内容】 グローバルな正義、世代間の正義、科学技術倫理、戦争責任論、死刑の是非
 【問い】 第2回で扱った各種の立場からはそれぞれ、現実の社会問題についてどのようなことがいえますか?

4. 自由
 「自由」について、各種の法・政治哲学的立場から概念の整理を行う。たとえば「ある行為ができる」という「可能」と「自由」はどう違うか、といった論点について考えを深める。
 【内容】 積極的|消極的自由、「割れ窓理論」など新しい刑事政策論、ダンス規制
 【問い】 「自由」が望ましいとすれば、それは「なぜ」? また、たとえば犯罪者にGPS装着を義務付けるといったことは許容されますか?

5. 権利
 「権利」について、各種の法・政治哲学的立場から概念整理を行い、正義論と法概念論の結びつきについて理解を深める。
 【内容】 利益説・意思説、将来世代の権利、動物の権利
 【問い】 将来世代や動物に「権利」があるといえますか? それは誰にどのような義務を課しますか?

6. 民主主義と公共的価値
 法が実現すべき「価値」は客観的・合理的に語りうるものか、またその実現・保障のあり方はどうあるべきかといった問題について理解を深める。
 【内容】 熟議、正統性、立憲主義、改憲問題、裁判員裁判
 【問い】 社会的に望ましい「価値」とはどのようなものであり、またその実現のために「民主主義」はよい仕組みといえますか? また、そこでの裁判所の役割はどういうものですか? 「裁判員裁判」は両者を補うものといえますか?

7. 法概念論 (1) 19世紀ドイツ法思想史からケルゼンへ
 法実証主義論争の「前史」としての19世紀ドイツ法思想史を概観したうえで、ケルゼンの法理論が何を目指していたのかを理解する。
 【内容】 歴史法学、法典論争、生ける法、法段階説、リアリズム法学
 【問い】 19世紀ドイツの法典論争~法学革新運動を踏まえると、ケルゼン理論の意義はどのような点に見出だせますか? また、彼の「法学の科学化」「イデオロギー批判」といったモチーフは現代でも意義があるといえますか?

8. 法概念論 (2) ハート・ドゥオーキン論争とその後
 ハート『法の概念』以降の英米の法実証主義論争がどういった点をめぐって対立しているのか、この講義全体のまとめとなるように理解する。
 【内容】 ハート・ドゥオーキン論争、インテグリティとしての法、権威としての法
 【問い】 ハート、ドゥオーキン、ラズなどの論者は法のどのような面を強調しているといえますか? また、各種の見解を踏まえると、「遵法義務の有無」「悪法も法か?」といった問題にどのようなアプローチができますか?

9. まとめ・ディスカッション
 各種のアクチュアルな問題を考察していくなかでこれまでの議論の実践的意義をまとめ直す。ゲスト講師招聘予定。

【成績評価】

・期末レポートによって評価する。講義を踏まえたうえでテーマを設定し、自分なりに整合的と考える法・政治哲学的立場から一貫した論述ができるかどうかを問う。
・講義中のディスカッションに積極的に参加した者については一定の範囲で加点を行う。

【参考文献】

・特定の教科書は指定しない。
・法哲学・政治理論や実定法上の知識は特に前提とせず、初学者に配慮した講義とする。
・講義全体にかかわる文献として、以下など。
 中山竜一『二十世紀の法思想』(岩波書店、2000年)
 瀧川裕英・宇佐美誠・大屋雄裕『法哲学』(有斐閣、2014年)
 W・キムリッカ『現代政治理論(新版)』(日本経済評論社、2005年)
・その他の参考文献は講義中に適宜、紹介する。Q&Aサイトもご参考に。
・毎回、一定の reading assignment を課すので、よく予習することが望ましい。

【使用言語】

・講義とディスカッションは基本的に日本語で行う。
・ただし、毎回の reading assignment には必要に応じて英語文献を指定する場合もある。

【注意事項】

・法律や判例などの知識は前提としないので、法・政治メジャー以外の学生も積極的に受講してほしい。各種の社会問題について、普段とは変わった角度から考えてみたいと思う者であればメジャーを問わず歓迎する。
・ディスカッションを重視するので、積極的な参加が望ましい。単位取得にあたって必須とはしないが、議論するのは何より楽しいと思う。
・各自の問題関心を発表(プレゼン)してもらい、全体で議論することも有益と思われるので、積極的な立候補を望みたい。
・参加者の興味関心に応じて、講義内容は柔軟に変更する。
・講義にあたっては、外部講師の招聘、映像素材の使用などを適宜検討する。
・質問等は講義の前後、およびメールで受け付けるので、遠慮なく行ってほしい。
・吉良のホームページには、連絡事項や配布資料を掲載するので、積極的に活用してほしい。なお、重要な連絡事項は必ず、学内掲示板等で確認すること。
・単位取得要件とは関係しないが、発展的内容を扱う自主ゼミナールの実施も検討する。昨年度の内容はこちら

ご質問などありましたら遠慮なくどうぞ。
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